赤い風船と女の子のお話 end 【井出】
- Date: 2014年12月09日 15:44
- Category:スタッフ日記
朝晩の寒さも厳しく、落葉樹は裸木になり、もう冬が来てしまいました。
女の子は雪の中を大きな赤い風船を持って駆け出しました。
そこには子犬が雪を掴もうと飛び上がって遊んでいます。
「わーい、わーい」と女の子はとてもうれしそうです。
突然、女の子は咳きこんでしまいとても苦しそうです。
母親の声が聞こえます。
「さあ、お家へ帰りましょうね」
かすかにウンと答えた女の子は、真っ白なベッドの上で、二度と目を開けることはありませんでした。
春になったら、春になったらと母親が話してくれた遊びを女の子は夢の中で実現していたのでした。
女の子は天使になって雲の子達よりもずっとずっと高いところへ登っていきました。
井出